潜在的な低頻度バリアント検出
アプリケーションノート
図1:Mutation Surveyor ソフトウェアで検出された低頻度バリアント(G>GA)。Mutationエレクトロフェログラムの緑のバーは潜在的な低頻度バリアントの存在を示しています。
Mutation Surveyorソフトウェアの特許技術である「アンチコリレーション」テクノロジーは、体細胞変異やヘテロプラスミー、モザイク現象に関連するサンガーシーケンストレース中の潜在的な低頻度バリアントを検出します。Mutation Surveyorソフトウェアの独自技術であるサンプルシーケンストレースとリファレンストレースのトレース同士の比較により、サンプルピークとリファレンスピーク間のphysicalな差異を算出して低頻度バリアント候補のポジションをMutationエレクトロフェログラムに表示します。
Mutation Surveyor ソフトウェアのトレース対トレースアンチコリレーションテクノロジーはリファレンスと比較したサンプルトレースのphysicalな特徴を評価します。physicalな特徴には、シグナルノイズ比やOverlapping factor、Dropping factorが含まれます。しばしば、体細胞/低頻度アレルはプライマリーピークにメジャーな変化を生じさせませんが、Mutation Surveyorソフトウェアの感度なら、Mutationエレクトロフェログラムに算出されたマイナーなMutationピークインテンシティをモニタリングすることによって、これらのバリアントを検出できます。同じマイナーアレルがフォワード・リバース両方のトレースファイルから検出されると、メイン画面(Graphic Analysis Display)Mutationエレクトロフェログラムのバリアントポジションに緑のバーが表示されます。上の図はTP53遺伝子の5番エクソンに低頻度ピークが検出されたのを表しています。
Mutation QuantifierツールによるメジャーピークとマイナーピークのContribution算出
図2:Mutation Quantifierレポートは各アレルのContributionを表示します。この例の低頻度バリアントはフォワード・リバース両方のトレースで、マイナー(Mutant)ピークのContributionが6%近くを示しています。
本ソフトウェアのMutation Quantifierツールは、2つの手法を使ってメジャーアレルとマイナーアレルのContributionを自動的に計算します。Standardized Allele Ratio法はノーマルインテンシティの減少パーセンテージとマイナー(Mutant)インテンシティの増加パーセンテージを算出します。Simplified Allele Ratio法では、RFU値を用いてメジャーアレルとマイナーアレルの相対的なContributionパーセンテージを算出します。図2のSimplified Allele Ratioレポートはこのサンプル中の低頻度バリアントがプライマリーピークのわずか6%のContributionで検出されたことを示しています。
図3:Mutation Quantifierツールのエレクトロフェログラムウインドウに表示されたメジャーアレルとマイナーアレル。エレクトロフェログラムウインドウにフォワードトレース(上図左)とリバーストレース(上図右)それぞれのメジャーアレルとマイナーアレルが表示されています。
フレキシブルな低頻度バリアントのレポーティングオプション
図4:カスタムレポートに潜在的な低頻度バリアントが緑色の背景でリストアップされています。カラー設定のカスタマイズも可能で、Mutationはマウスクリックで編集できます。
検出した潜在的な低頻度バリアントはカスタムレポートにレポーティングできます。カスタムレポートはメイン画面(Graphic Analysis Display)と連携しており、カスタムレポート上のバリアントをダブルクリックすると、メイン画面がそのポジションに移動し、MutationエレクトロフェログラムのMutationピークを確認できます。